- 2010-07-22 (木) 18:02
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普段あまり書評というものを書かないのですが、是非このブログを見てくれている方々に紹介しときたいのであえてのエントリー。
僕が初めて村上龍の小説を読んだのが限りなく透明に近いブルーで、それまであまり小説というものをどっぷりとハマって読んだことがなく、ベストセラーになったものを少しだけ読んでいたぐらいなんですが、この本を読んでまさかこれほど面白い小説があるのかと驚愕したのを覚えています。
早い話がドラッグ・セックス・バイオレンスということなんですが、これほどまでEroい小説が芥川賞を取るなんて・・・というふうに感じていました。
それからというものいろいろと村上龍の小説を読んでみて、面白いものや僕には全然合わないものも多々ありましたが、「これは間違いない!」というものを列挙してみました。
文庫化されていて、値段もそんなに高くないので是非読んでみてはいかがでしょうか。
五分後の世界
5分のずれで現われた、もうひとつの日本は人口26万に激減していた。国連軍との本土決戦のさ中で、アンダーグラウンド兵士の思いは、こうだ。「人類に生きる目的はない。だが、生きのびなくてはならない」
やっぱりこの本がダントツですかね。
そもそも旧NoTechnoNoLifeでは、サブタイトルに「アンダーグラウンド」という言葉を使っていたのですが、それは「5分後の世界」がきっかけです。
物語の冒頭部分が秀逸で、
「ふと気がついたら、自分は行進していて、この行進をやめると自分は殺されるんじゃないかという恐怖がどこからともなく湧いてくる。
そして行進はいったいどこまで続くのか分からない・・・」
という出だしから始まるんですが、こうゆうよく分からない世界観の描写が本当にうまい!
そして戦争モノの小説なので、戦闘シーンが多いのですが、かなりのページ数を使って描写された銃撃戦がすごい。
特にワケも分からず戦闘に加わされた主人公の葛藤をうまく描いています。
僕はこの本に登場するアンダーグラウンドの人たちの大ファンです。
村上龍氏も最高傑作と謳っているくらいの作品なので、読んで損はないと思いますよ。
いろいろな人に進めてみなさん相当面白かったと評判です。
Part2がヒュウガ・ウイルス―五分後の世界2です。
こちらもすこぶる面白いです。
ちなみにですが、ゲームにもなってたりしますw
コックサッカーブルース
オレは堀坂進太郎、小さな出版社のオーナーだ。或る日、オレのマンションに、別居中の妻の服を着た見知らぬ女が上がりこんでいた。それが奇妙なことの発端だった。SMモデルの女の剥ぎとられた爪が送られてきたり、変態性欲者の群れに、オレはどんどん巻きこまれる。…強烈な欲望と幻滅の渦巻くハードなパーテイで出会う性的フリークスを通して、時代の核心を描く長編小説。
はい、もうね。
このブログを見てくださっている方なら、読んでない人はいないんじゃないでしょうかw
それぐらい大切なバイブルです。
神秘主義や快楽主義などの分野を追求してて、と〜ってもアブノーマルな小説です。
「主人公の堀坂は娘とアンチョビのピザを食べながら風の谷のナウシカを見ているんですが、自分の部屋の異常に気が付きます。
プチダノンが食べっぱなしだったり、洗面器にほうれん草が浸してあったり・・・そしてとんでもない事件に巻き込まれます。」
天才的な音楽家のスィートルームで繰り広げられるあぶないパーティの章がすごい好きで、あそこだけなんというか実写で見てみたいw
人に貸したり自分で10回ほど読んでいるので、もうボロボロになってしまいました。
ちなみに文庫本とハードカバーでジャケットデザインが違うので、どちらを選ぶかはあなたしだい!
ドラゴン・ツリー・フェスティバル開催します!
希望の国のエクソダス
2002年、一斉に不登校を始めた中学生がネットビジネスを展開し、遂には世界経済を覆した! 閉塞した現代日本を抉る超大型長篇
村上龍氏が幼い子供たちを主人公によく選ぶんですが、これはその代表作と言ってもいいでしょう。
まるでシンクロニシティのように不登校を始める中学生たちが、ネットを使って世界的なビジネスを生み出すストーリー。
日本を動かすのが政治家たちではなく中学生という、もしかしたらいずれこうゆう時代が来るんじゃないかという想像をさせられます。
現代小説家な村上龍氏らしい作品です。
半島を出よ〈上〉
二〇一一年春、九人の北朝鮮の武装コマンドが、開幕ゲーム中の福岡ドームを占拠した。さらに二時間後に、約五百名の特殊部隊が来襲し、市中心部を制圧。彼らは北朝鮮の「反乱軍」を名乗った。慌てる日本政府を尻目に、福岡に潜伏する若者たちが動き出す。国際的孤立を深める日本に起こった奇蹟!話題をさらったベストセラー
もしも5分後の世界が好きでしたらこちらも面白いと思います。
日本人からの視点と北朝鮮コマンドからの視点をうまく描写してて、結構長い小説ですが、意外とサクッと読み終われると思います。
この本を読んで思ったのが、村上龍氏が小説を書くにあたって本当にいろんなことを勉強しているんだなということです。
武器、北朝鮮の情勢、若者の考え方などなど。。。
上下巻と結構長めなので、細部まで徹底して描写していて非常に面白いです。
というか完璧な小説ですね。
イン ザ・ミソスープ
夜の性風俗ガイドを依頼してきたアメリカ人・フランクの顔は奇妙な肌に包まれていた。その顔は、売春をしていた女子高生が手足と首を切断され歌舞伎町のゴミ処理場に捨てられたという記事をケンジに思い起こさせた。ケンジは胸騒ぎを感じながらフランクと夜の新宿を行く。97年夏、読売新聞連載中より大反響を引き起こした問題作
この本は、村上龍氏の本の中でもかなり怖い分野に入ると思います。
コックサッカーブルースが好きな人向けでしょうかね。
僕は夜中に一気に読んでしまったんですが、ついつい明かりをつけちゃいました。
特に霊的は話ではないんですが、どこか人気がないかとかを確認しちゃう・・・w
愛と幻想のファシズム(上)
危険な予兆をはらんだ衝撃の近未来政治小説1990年世界恐慌の波の中で日本も未曽有の危機を迎えた。サバイバリスト鈴原冬二をカリスマとする政治結社「狩猟社」は一気に日本の中枢を獲ろうと暗躍する…
村上龍氏の本の中でもかなり人気のある本書なんですが、僕はかなり後になってこの本を読みました。
というのも基本的には政治的な話なので、ちょっと僕には合わないかな〜と思っていたからだったのですが、実際読んでみたらとんでもない!
「絶対的なカリスマを持つ人間」というものを完璧に描写しています。
カリスマ性の描写って、実際かなり難しいと思うんですが、なぜか主人公の鈴原冬二に対して入れ込んでしまうのが不思議です。
この本だけではなく全体的に言えることなんですが、村上龍氏は日本の政治的な部分を政治家ではなく第3者的な人物に委ねるのが好きですね。
まぁそのほうが面白いですもんね。
ストーリーの最初から最後までまったくもって目が話せない作品です。
無趣味のすすめ
国には希望はない。希望が個人的概念に変化せざるを得ないほど、社会が成熟したからだ。だが、この大不況下のサバイバルは簡単ではない。著者・村上龍は、ビ ジネスのコツや秘訣ではなく、隠蔽された事実を淡々と伝え、ゴールではなくスタートラインを示そうとしている。
今まで紹介した本とガラッと変わりますが、これもまた良本です。
よく「こうしたら人生が楽しい」、「こうしたらお金がたまる」などのビジネス書は多々ありますが(意外と読んじゃいますが・・・)、そういったものを覆しながら村上龍氏の考え方をまとめたエッセイ集になります。
まとめ
まだまだ紹介したい本が山ほどあるんですが、とりあえず読んでおいて損はないという7冊を紹介させていただきました。
現代小説家でもあり変態的小説家でもあり、ビジネス番組のカンブリア宮殿なんかもやってたりと多彩な方ですが、ただ言えることは間違いなく天才ですね。
おそろしいほどの努力をしているのだとは思いますが、小説を読んでいる限りでは常軌を逸しています。
まだ読んでいない本もあったりするので、今後読んで面白ければ紹介させていただきます。
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Comments:2
- やべれい 10-07-25 (日) 0:30
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初めてコメントします
自分も村上龍が大好きで、五分後の世界が今まで読んだ小説の中で一番好きです
そんなこんなで、つい嬉しくなって書き込みしてしまいました
今後とも面白い記事を楽しみにしています - hisasann 10-07-31 (土) 14:45
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>やべれいさん
コメントありがとうございます。
やっぱり5分後の世界は最高ですよね。
何度も読み返しちゃう小説です。応援のメッセージありがとうございます!
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